
前向きなものを引き出す心理的努力
下記の引用文をお読み下さい。アメリカ合衆国の経営学誌「Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)」に掲載された、「Growth After Trauma」心的外傷後成長(PTG)に関する記事からの引用です。記事を書いた人は、ノースカロライナ大学シャーロット校の心理学名誉教授リチャードG.テデスキ氏です。「Posttraumatic Growth 心的外傷後成長(2018)」 という本の著者でもあります。
あなたや他の人の準備ができたら、努力する価値があります。この闘いの時代から何か前向きなものを引き出していくようにしましょう(Google翻訳)。1引用文献:Growth After Trauma(https://hbr.org/2020/07/growth-after-trauma)
トラウマ転換ウォーキングも、サヨナラ・モンスターも、上記引用にあるように、ノースカロライナ大学シャーロット校の心理学名誉教授リチャードG.テデスキ氏が言っているように「前向きなものを引き出す」ことによって良い変化が期待出来るのです。その心理的な努力をする価値があるのです。トラウマを抱えたということは決して無駄なことではないのです。トラウマを抱えている人たちは、この前向きなものを引き出すことで、良い変化に繋がることが期待出来るのです。諦めずに、心理的努力をする価値は十分あります。
発見して、保存する。その繰り返し。トラウマに支配されない勇気
この前向きなものを引き出しやすくするために制作したのが、「トラウマ転換ウォーキング(歩いて転換)」や「サヨナラ・モンスター(書いて転換)」です。転換するということは前向きなものを引き出すこと、肯定的、ポジティブなものへと転換するということです。普通に引き出そうとすると中々前向きなものを引き出すことが出来ません。引き出すには、引き出しやすくする為のことが必要なのです。それをトラウマ転換ウォーキングやサヨナラ・モンスターに盛り込んでいるのです。
簡単なイメージとしては、「トラウマ転換ウォーキング(歩いて転換)」や「サヨナラ・モンスター(書いて転換)」の取り組みで、辛い出来事の中から前向きなものを1つでも見つけるのです。そしてそれを自分に保存していきます。その繰り返しによって自分の内側が変わっていきます。辛い経験の中から前向きなものを見つけることは、時に、とても辛い作業です。だけど必ず、前向きなもの、肯定的に捉えることが出来る何かがあります。それを自分の力で見つけ出していくことが「成長」に繋がり、その繰り返しが「心的外傷後成長(PTG)」に繋がっていくのです。
例えば親を亡くしたとします。その悲しみは計り知れないものです。だけどその悲しみをしっかり感じきることで、そこから何かプラスなことを発見出来ることがあります。それをしっかりと直視して、受け入れるのです。苦しいこと、つらいこと、悲しいこと、その中にあるプラスな何かを見つけることが自分の力となり、それが心的な成長に繋がります。トラウマを克服するということの本質はここにあるのです。この変化を起こせば、過去を封じる必要もありません。無かった事にする必要もありません。自分の中でしっかりと成長を引き起こした意味ある記憶として、肯定的なものとして残るのです。これが「トラウマに支配されない勇気」です。
サヨナラ・モンスターに取り組んでいる人は、前向きなものを引き出すこと、肯定的、ポジティブなものを発見したら、付属ツールの「まとめ」部分に書き出して、まとめて保存して下さい。書き出すことで、自分に刻むことが出来るのです。
トラウマが大きければ大きいほど、傷が深ければ深いほど、人は成長します。
苦しみの中からプラスなものを見つける過程は苦しいけど、見つけることが力になっていくのです。
脚注リスト(引用文献・参考文献)
- 1引用文献:Growth After Trauma(https://hbr.org/2020/07/growth-after-trauma)