僕は以前から、音楽を使って感情や情動を意図的に創り出すことには、脳を活性化させる重要な働きがあるのではないかと考えてきました。
特に、闘志、情熱、前向きな意欲、希望、負けない気持ち、目的へ向かう感情。
こうした情動を、ただ自然に湧いてくるのを待つのではなく、音楽や言葉、記憶、意味づけを使って、自分の内側に能動的に創り出していく。
僕はその考えをもとに、エモーションプラスというものを販売してきました。
これは単なる気分転換ではなく、感情を意識的に作り、整え、人生の行動力や心の回復力につなげていくためのものです。
最近、東北大学のアルツハイマー病研究に関する発表を見て、僕は自分が長年感じてきたことと、一部でつながるものがあると感じました。
東北大学大学院医学系研究科などの研究チームは、アルツハイマー病モデルマウスにおいて、記憶に関わる脳領域である嗅内皮質のドーパミン機能低下が記憶障害に関与していることを報告しました。さらに、ドーパミン前駆体であるレボドパなどを用いて嗅内皮質のドーパミン量を増加させると、マウスの記憶が改善したと発表されています。研究成果は2026年4月に Nature Neuroscience に掲載されました。
もちろん、これはマウス研究であり、すぐに人間のアルツハイマー病予防や治療にそのまま当てはめられるものではありません。
また、「アルツハイマーの原因はすべてドーパミン不足である」と言えるわけでもありません。
しかし、少なくともこの研究は、記憶障害とドーパミン系の関係に改めて光を当てたものだと僕は受け止めています。
ここで重要になるのが、僕が以前から注目してきた音楽と情動です。
音楽は、人間の感情を強く動かします。
ある曲を聴くと、過去の記憶が蘇る。
ある曲を聴くと、闘志が湧いてくる。
ある曲を聴くと、「もう一度やってやろう」という気持ちになる。
これは単なる気のせいではなく、音楽とドーパミンの関係については神経科学の研究もあります。Salimpoorらの研究では、強い快感を伴う音楽体験の際に、線条体でドーパミン放出が起こることが示されています。特に、音楽による期待やピークの感動が、報酬系と関係することが報告されています。
つまり、音楽によって「感情が動く」「ゾクッとする」「やる気が出る」「情熱が湧く」という体験は、脳の報酬系やドーパミン系と無関係ではない可能性があります。
僕自身、このことを理屈より先に、体感として感じてきました。
僕は子供の頃、勉強を放棄しました。
その後、薬物中毒にも陥りました。
簡単に言えば、脳にとって良いとは言えない生き方をしてきた時期があります。
自分の感覚としては、脳がかなり衰えていたと思います。
思考力、集中力、記憶力、意欲、前に進む力。
そういったものが弱っていた。
そのまま行けば、僕は若いうちから認知機能が大きく落ちていく方向に向かっていたのではないか。
アルツハイマー病や認知症そのものだったと断定するつもりはありません。けれど、少なくとも「脳が衰えるような人生の出だし」と「脳が衰えるような生き方」をしていたという実感はあります。
そこから僕は、読み書きを始めました。
言葉を使い、考え、書き、自分を立て直そうとしました。
しかし、それだけでは効果が薄いと感じる時期がありました。
頭ではわかっていても、感情が動かない。
感情が動かないと、行動が続かない。
行動が続かないと、人生が変わらない。
そこで僕が強く効果を感じたのが、音楽を使って情動を創ることでした。
音楽を使って、闘志を作る。
情熱を作る。
前に進む感情を作る。
自分の中に眠っていた力を呼び起こす。
それを毎日の生活に組み込むと、何かが活性化していく感覚がありました。
衰えていたものが、再び動き出すような感覚です。
僕はこの体験から、感情や情動はただの気分ではなく、脳を動かすエネルギーのようなものではないかと考えるようになりました。
特に、音楽で情動を作り、それを行動と結びつける。
たとえば、ウォーキングをする。
体を動かす。
前向きな言葉を書く。
自分の目的を思い出す。
過去の苦しみを乗り越える意味を見出す。
このように、音楽、情動、運動、言語化、記憶、目的意識を組み合わせると、脳全体が活性化しやすくなるのではないか。
僕はそう感じてきました。
実際、音楽と認知症リスクの関係についても、近年研究が出ています。Monash大学などの研究では、70歳以上の高齢者1万人以上を対象に、日常的な音楽聴取と認知症リスクの関連が調べられ、常に音楽を聴く人では認知症リスクが低いことと関連していたと報告されています。ただし、これは観察研究であり、音楽が直接予防したと断定できるものではありません。
それでも、僕の仮説とは方向性が重なります。
僕が考えているのは、単に「音楽を聴けばアルツハイマーを防げる」という単純な話ではありません。
そうではなく、
音楽を使って情動を創る生活習慣は、ドーパミン系、前頭前野、海馬、記憶、意欲、運動、自己効力感などを複合的に刺激し、その結果として、認知症予防に一部寄与する可能性があるのではないか
ということです。
僕の親戚にも、アルツハイマー病になった人がいました。
その人は、僕が大切だと思ってきた「感情を動かすこと」「音楽で情動を作ること」「歩くこと」「前向きな意欲を作ること」のようなものを、むしろ強く拒否するタイプでした。
もちろん、これは個人的な観察であり、医学的な因果関係を証明するものではありません。
その人がアルツハイマー病になった原因を、単純に「感情を作らなかったから」と言うことはできません。
けれど、僕の見てきた範囲では、脳を活性化させるような習慣を持っていた人と、そうでない人の間に、長期的な差が出ているように感じることがありました。
僕は、自分自身の回復体験と、周囲の人たちの変化を見ながら、ずっとこう考えてきました。
人間にとって、感情は単なる反応ではない。
感情は、脳を動かす。
情動は、行動を生む。
情熱は、人生を前に進める。
闘志は、衰えに抗う力になる。
そして、音楽はその情動を創り出すための非常に強力な道具になり得る。
東北大学の研究は、アルツハイマー病モデルマウスにおける嗅内皮質ドーパミンの低下と記憶障害の関係を示したものです。これは、僕が考えてきた「ドーパミン」「記憶」「脳の活性化」というキーワードと、完全に同じ話ではありません。しかし、一部で重なる重要な示唆を持っていると感じます。
今後、人間においても、音楽、情動生成、ドーパミン、認知機能、アルツハイマー予防の関係がさらに研究されていけば、僕が長年感じてきたことの一部が、より科学的に説明される日が来るかもしれません。
現時点で言えることは、次のことです。
音楽を使って情動を創ること。
闘志や情熱を意識的に作ること。
それをウォーキングや読み書き、目的意識と結びつけること。
これは、少なくとも脳に悪い習慣ではないはずです。
むしろ、認知機能、感情調整、意欲、記憶、行動力を支える生活習慣として、大きな可能性があると僕は考えています。
エモーションプラスは、そうした僕自身の経験と仮説から生まれたものです。
僕は、自分の脳が衰えていくような人生から、少しずつ回復してきました。
その中で、読み書きだけでは足りないと感じました。
そこに音楽と情動を組み合わせた時、明らかに内側の活性化を感じました。
だからこそ僕は、これからも伝えていきたいと思っています。
感情は、ただ感じるものではない。
感情は、創ることができる。
情動は、人生を動かす。
そして、その日々の積み重ねが、脳の健康や認知機能を支える一部になる可能性がある。
東北大学のアルツハイマー研究、ドーパミン、嗅内皮質、記憶障害、音楽による情動生成。
これらのキーワードをつなげて考えた時、僕は改めて、エモーションプラスで伝えてきた方向性は間違っていなかったのではないかと感じています。
ただし、これは医療行為ではありません。
アルツハイマー病の予防や治療を保証するものでもありません。
認知症が疑われる場合や、物忘れ、判断力低下、生活上の支障がある場合は、必ず医療機関に相談する必要があります。
そのうえで、日々の生活習慣として、音楽で情動を創り、歩き、書き、考え、目的を持ち、前に進む。
このような習慣は、人間の脳と心にとって、非常に価値のあるものだと僕は考えています。
この記事は、筆者個人の経験と仮説、ならびに関連研究をもとにした考察です。エモーションプラスは医療行為ではなく、アルツハイマー病や認知症の予防・治療を保証するものではありません。認知症が疑われる場合や、心身の不調がある場合は、医師など専門家に相談してください。
補足:「感情を創る」という表現について
僕はこの記事の中で、「感情を作る」ではなく、あえて**「感情を創る」「情動を創る」**という表現を使っています。
この「創る」という表現は、この記事だけで使っているものではありません。
これまで僕が伝えてきたサヨナラ・モンスターやエモーションプラスの中でも、意図的に使ってきた表現です。
ここでの「創る」とは、単に一時的な気分を作るという意味ではありません。
音楽、言葉、記憶、意味づけ、目的意識などを使って、自分の内側に必要な感情や情動を生み出し、それを育て、目的、行動、達成、成果へとつなげていくという意味です。
つまり、感情を受け身で待つのではなく、自分の人生を前に進める力として、能動的に創造していく。
その意味を込めて、僕は**「創る」**という漢字を使っています。
サヨナラ・モンスターでは、未処理の感情に気づき、書くことを通して整理し、深い部分の変化につなげていく。
エモーションプラスでは、音楽などを活用しながら、自分に必要な情動を創り、行動や目的へと結びつけていく。
どちらにも共通しているのは、感情をただ振り回されるものとして扱うのではなく、理解し、扱い、必要な形へと育て、人生を変える力にしていくという考え方です。
だからこそ僕は、「感情を作る」ではなく、**「感情を創る」**という表現を大切にしています。
お子様は、感情や情動が出てくるのを黙って待っている。大人は自ら必要な感情や情動を創り出す。



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