虚言癖の治し方・克服について大切なことをお伝えします。
この記事の目次
虚言癖とは
虚言癖(きょげんへき)とは、どうしても嘘をついてしまう人間の性質をあらわす専門用語で、1891年にドイツの心理学者アントン・デルブリュック(Anton Delbrück)によって提唱された。1引用文献:虚言癖 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E8%A8%80%E7%99%96)
虚言(嘘、他人を欺く偽りの言葉)の癖(くせ)のことです。
虚言癖の治し方(これが王道だ!)
虚言癖の治し方ですが、まず「虚言」と「癖」に分けます。
「虚言」…嘘を言うこと、他人を欺く偽りの言葉。
「癖」……繰り返したことで習慣になっているもの。
過去に、嘘を何度も繰り返してきたことで、習慣になってしまっているのが虚言癖です。人間は自分がしたいことをしています。つまり過去の自分が嘘をつきたいから嘘が習慣になるまで繰り返してきたわけです。だから虚言癖を治すには、自分自身が「嘘をやめたい!」と心から思わないとやめられません。そして習慣を変える必要があります。嘘を出来るだけつかずに、誠実なことを習慣になるまで繰り返していくことで、その繰り返しの中で、誠実さの良さを学習出来ることがあります。その学習によって無意識が描き変わっていき、虚言癖を治すことが出来る場合があります。
虚言癖の本人は無意識のうちに嘘をつくようになってしまっているので中々やめれません。病的になればなるほど自分でも嘘をついている自覚がなくなり、他人から「嘘をついている」と指摘されても本人は気づいていないので理解出来ないこともあります。
まず必要なのは「嘘をやめたい」という虚言癖の人の強い気持ちになります。本人が嘘をやめたいと思わなければ不可能です。結局のところ本人が無意識のうちに嘘をつくことに何らかのメリットを感じているから嘘をついているのです。その考え方を修正しないことには、虚言癖は治りません。
1、嘘を自覚した上で、本人の強い気持ち(虚言癖を治したい)
2、嘘にメリットを感じている部分の認知(考え方の癖)の特定と修正
この2つを徹底して意識して取り組むことで、虚言癖が治っていくことが期待出来ます。
つまり「2」の部分の、「嘘をつくことに大きなメリットがある(自分にとっての善、為になっている)」というような考え方の癖(無意識レベルの認知)を修正していくことが必要です。「嘘をつくことは実はデメリット(自分を不幸にすることなど)が大きかった」と気づいて、再学習し、考え方が変わっていけば、虚言癖を治す道へと入っていけるでしょう。実際、とある虚言癖の人間が前記した「1」と「2」で虚言癖を大方修正することが出来ました。
虚言の反対である真言(偽りのない真実の言葉)の良さを学習
難しいのは「1」です。虚言癖の本人が、無意識のうちに(過去の学習の結果として)嘘にメリットを感じているので、心から「虚言癖を治したい!」と思えないのです。だからそこを崩していく為に、何らかの方法や、働きかけ、学習、社会活動、家庭生活、家庭教育の中で、虚言の反対である真言(偽りのない真実の言葉)の良さを学習出来れば良いのです。「真言(偽りのない真実の言葉)の良さ」を知っている人は、その良さを、虚言癖の人が学習出来るような働きかけをしてあげるのも良いと思います。相手は変わるには長い時間がかかる場合があります。1年では難しく、3年、5年、7年とかかることもあります。深刻な問題を抱えている人や、心の傷が深い人の場合は、変わるのも時間がかかるものです。それを信じて、待って、働きかけていくこと。そうすることで長い時間を通して、働きかける側の本当の思いがやがて相手に届き出して、相手は、「嘘をやめたい……」と改心するようになることもあるのです。
虚言の反対である真言(偽りのない真実の言葉)の良さを学習することが出来ると、虚言癖の人は、二度と虚言癖を創ることはないと思います。
真言は美ならず、美言は真ならず。
老子(中国春秋時代における哲学者)の言葉
本当の真実の言葉は、飾り立てられておらず、美しさでカモフラージュされていません。美言は詐欺師がよく使うものです。相手に甘い言葉で囁きかけて騙くらかして喰らっていき、喰らった部分さえも隠蔽します。例えばとある男性に金を貢ぎ続けて、言葉にならない騙された方をして、最後飛び降りる女性は、美言の餌食になった場合もあるでしょう。こういった嘘が混ざっている美言とは違い、真実の言葉である真言は、時に苦く、時に痛く、時に苦しいものである場合もあります。だけど良薬口に苦し、真言こそが、相手が目を覚ますきっかけになる場合もあるのです。傍から見れば酷い言葉を浴びせているように見えることもあります。だけどその酷い言葉の裏にある真意、そこに何があるか、それが一番重要なのです。美しく、優しく、甘い言葉だけでは、人は変われません。変わる気にもなりません……。
絶対に相手を騙したくない人は、時に言葉にトゲがあり、怒ることもあります。一生懸命だからこそ本気で怒る場合もあります。最も虚しいものは、怒られることもなく、無視されることです。昔の人はよく「言われているうちが華」と言っていました。言われている時は頭に来ることもあるけど自分が成長して振り返ってみれば有り難いと思える厳しい言葉もあるものです。そんな言葉には「美言」ではなく「真言」が多く含まれていたりします。
虚言癖を治したいという人は、真言(偽りのない真実の言葉)の良さを徹底して知れば良いのです。その情報が自分の中にないから嘘を好んでしまうのです。そこの再学習が必要です。
虚言で防衛してきたのなら、新しい防衛方法を学習しよう!
「どうしても嘘をついてしまう」のが虚言癖の方ですから、なぜ、そうなのかをしっかり理解する必要があります。どうして嘘をつくようになったか? どうして嘘を繰り返すようになったか? そこには「深い心の傷」がある場合もありますから、その傷を見つけたらしっかりと心の傷を直視して癒して、終わらせて、その上で、嘘をやめたいという気持ちになるまで、納得が起きるまで自分と向き合うことも大切です。自分にとって嘘が防衛手段だった可能性もあるから、簡単に手放すことが出来ない場合もあります。虚言癖を手放してしまうと不安や恐怖が出てくることもあります。
なので、どんなメリットを感じてきたか? それを明確にして理解して、「嘘よりも、もっと良い方法がある」「子供の頃は嘘でしか防衛出来なかったけど大人になった今なら、正しい防衛方法を知ることも、身につけることも出来る」と本人が納得できれば、どうしても嘘をついてしまう必要がなくなるので、徐々に嘘をやめていけます。そして、新しい防衛方法と共に、真言(偽りのない真実の言葉)を使うことが多い習慣を身につけていけば虚言癖を治してしていけるでしょう。要は癖になったものを治すには、新しい癖をつけ直せば良いのです。
繰り返しますが、虚言癖の人は防衛のために嘘を使ってきたかもしれません。そうなら、今度はもっと良い防衛の方法を学べば、虚言癖は不要になるでしょう。虚言癖は、虚言”壁”でもあり、「嘘の壁」で防衛し続け、虚言癖になってきたのかもしれません。自己理解を深めることで何故自分が嘘にメリットを感じるようになったかも、自分で答えを出せるようになります。
虚言癖を続けていると、コミュニケーションも不健全なものとなり、無関係な人にまで悪影響をだしてしまうかもしれませんので克服していくことが大事なことと思います。嘘というのは時に人を殺します。悪意がなくても誰かの嘘で誰かが苦しみ、或いは狂って、誰かを不幸にすることもあります。それほどのダメージを与えることになる場合もあるのです。そして嘘は必ず歯車をズラします。ズラしてしまった歯車はいつか元に戻さないと、永久に狂った歯車の影響を受け続けてしまうこともあります。だから人は嘘を嫌うのです。嘘というのは「借金」と同じようなものです。後から清算が必要になることもあります。過去は嘘が必要だった。だけどこれからは大丈夫。と自分で思えるように成長したら自然と「嘘」を手放していける人もいます。
嘘をつき続けると、最後には誰からも信じてもらえなくなります。本当のことを言っても誰も信じてくれなくなります。逆も然り。嘘つきから嘘つき扱いされてきて孤立した人は、本当のことを語り続けると、最後には多くの人から信じてもらえるようになります。
この記事に関する書籍
備考
この記事は「2016年10月29日 13:07」に投稿した記事を再編集して新しい記事として投稿しました。
脚注リスト(引用文献・参考文献)
- 1引用文献:虚言癖 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E8%A8%80%E7%99%96)