このたび、僕の絵本
『よわさって、わるいこと? ― つよくなるためのやさしい気づき』 が
Amazon Kindle で販売開始になりました。
👉 商品ページはこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B0G39PYQ1H
この絵本は、ただのフィクションではなく、
「弱さを出せなかった子どもだった僕」自身の体験から生まれた物語です。
弱さを一切出せなかった子ども時代
僕は、いわゆる「機能不全家庭」と呼ばれるような、複雑な家庭で育ちました。
子どもの頃から、
支配的で、時に虐待的とも言える考え方や信念、価値観が、
あたりまえのように家の空気の中にありました。
- 弱さを見せてはいけない
- 泣いてはいけない
- つらさや悲しみは「なかったこと」にする
- 親の機嫌や価値観に合わせるのが正しい
そういうメッセージが、はっきり言葉にされることもあれば、
空気で伝わってくることもありました。
抵抗した部分もありましたが、
長くその中で生きているうちに、
それらの考え方や価値観が、僕の中にも深く刷り込まれていきました。
気がつくと、僕自身も
- 自分の弱さを強く否定する人間になっていたり
- 自分にも他人にも、優しさを向けられなくなる瞬間があったり
していました。
「弱さなんていらない」
「感じないほうがいい」
そうやって、弱さも、悲しみも、苦しみも、
自分の外へ追い出そうとしていた時期が長く続いていたように思います。
行き詰まり、初めて「自分の弱さ」と向き合う
でも、そんなふうに生きていると、
あるときから、人生が大きく行き詰まっていきました。
- なぜこんなに苦しいのか
- 何が痛いのかさえ、うまく分からない
- とにかく心が重くて、前に進みにくい
そんな状態になって、やっと僕は
「もしかしたら、見ないふりをしてきた自分の弱さと向き合わないといけないのかもしれない」
と感じるようになりました。
そこから、長い時間をかけて、
自分の問題や課題に向き合うプロセスが始まりました。
- 子どもの頃に感じていたはずの悲しみ
- 無視されてきた苦しみ
- 押し込めてきた痛み
そういったものを、「なかったこと」にするのではなく、
少しずつ思い出し、言葉にし、感じ直す作業でした。
簡単ではありませんでしたが、
心理的な変化が少しずつ起きていく中で、
「弱さを否定し続ける生き方から、少し離れてもいいのかもしれない」
と感じられるようになっていきました。
少しずつ、優しさを取り戻していくまで
そうした取り組みを続けることで、
僕は少しずつ、弱さに対する態度が変わっていきました。
以前の僕は、
自分の弱さに対しても、他人の弱さに対しても、
とても厳しくて、冷たくなってしまうところがありました。
でも、自分の心の中の「小さな声」を何度も聞き直していくうちに、
- 悲しみを抱えていた「昔の自分」
- 苦しみを飲み込んで耐えてきた「小さな自分」
に対して、少しずつ 優しさを向けられる自分 に変わってきたのを感じます。
今では、自分自身に対しても、
そして今一緒に暮らしている猫に対しても、
以前よりずっと柔らかい心で関わることができるようになりました。
- うまくできない自分を責めすぎないこと
- ビクッとしている猫に、ゆっくり楽しく声をかけてあげること
そんな、小さな場面ひとつひとつの中に、
「弱さを否定しない生き方」が少しずつ根づいてきているのを感じています。
この変化の過程での気づきが、
「サヨナラ・モンスター」という心のワークによっても起こり、
そして今回の絵本を生む土台になっています。
その体験から生まれた物語です
絵本の主人公は、黄色いパーカーの男の子。
彼のそばには、いつも小さな灰色のキャラクターがいます。
それは、彼の心の中にいる「よわさ」の姿です。
物語のはじめで、男の子はこの「よわさ」が大嫌いです。
押しのけたり、見ないふりをしたり、遠ざけようとします。
でも物語が進むにつれて、
- 友だちにも、それぞれ「よわさ」がいること
- 自分の中のよわさも、実は守ろうとしてきた気持ちかもしれないこと
に少しずつ気づいていきます。
そして、
- よわさに「気づく」
- よわさを「認める」
- よわさを「分かち合う」
- よわさと「歩いていく」
という心のステップを通して、
自分自身と出会い直していきます。
この流れは、そのまま 僕自身がたどってきたプロセス を、
子どもにも大人にも届けたくて描き直したものです。
子どもの心を優しく、そして強く育てたい親御さんへ
この絵本は、
小学校高学年から中学生くらいの子どもたちと、その親御さんに向けて書きました。
- がんばり屋さんで、つよがりがちな子
- 「弱音を吐いてはいけない」と思い込みやすい子
- 家庭や学校で、気持ちを出すことがむずかしい子
そして、そうした子どものそばで、
- 「どう寄り添ったらいいのか分からない」
- 「自分自身も、弱さを出せずに育ってきた」
と感じている大人の方に、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
弱さを消すのではなく、
弱さごと抱きしめてあげることが、心の本当の強さにつながっていく――。
その感覚を、絵とことばでそっと手渡したいと思っています。
おわりに
子どもの頃の僕のように、
弱さを出せずに一人で抱え込んでしまう子が、この世界には少なくないと思います。
そして、そんな子どもだった自分を抱えたまま、
大人になった今も生きづらさを感じている人もいるはずです。
この絵本が、
そんな過去や今を生きている誰かにとって、
「よわさがあってもいい」
「よわさも、自分の大切な一部なんだ」
と感じる小さなきっかけになれば、とてもうれしく思います。
よかったら、あなたの大切な誰かと一緒に、
ページを開いてもらえたらうれしいです。
👉 絵本『よわさって、わるいこと? ― つよくなるためのやさしい気づき』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0G39PYQ1H
読んでくださる一人ひとりの心に、
小さくてもあたたかな光が届きますように。

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