「去る者は追わず来る者は拒まず」という諺があります。この精神は「支配せず、支配させず」、そして「精神的な自立への道」です。
相手の気持ちを無視している虐待者
「去る者は追わず来る者は拒まず」は「来る者」と「去る者」がいます。「来る者」はあなたのところに来たいから来ているのです。「去る者」はあなたのところから去りたいから去るのです。つまり「来る者」と「去る者」は、どちらも本人が「そうしたい」から「そうしている」のです。本人の意思で、来たり、去ったりします。これは相手の考えや思いですよね。そこで「来る者を拒む」というのは相手の「そうしたい」から「そうしている」を拒む(拒否、邪魔する)ということ。「去る者」を追うというのも、相手の「そうしたい」から「そうしている」を拒む(拒否、邪魔する)ということ。
「去る者は追わず来る者は拒まず」の反対の「去る者を追い、来る者は拒む」は、他人の意思決定を阻害することになるのです。つまり相手の気持ちを無視しているということです。無視は心理的な虐待の一種ですから、「去る者を追い、来る者は拒む」は、支配者、心理的な虐待者のやることなのです。去る者を追い、来る者を拒むことは、誰でも多少なりともあるかと思います。ですから人は誰もが支配者であり虐待者でもあるのです(そういう部分があるということ)。
この精神がないと不幸になりやすい
「去る者は追わず来る者は拒まず」の精神がない人ほど支配の世界に引き込まれていき人間関係が原因で不幸になりやすいので、是非、身につけてほしい精神です。
去る者を追う、それは場合によってはストーカーにもなり得ますし、最悪逮捕されてしまう場合もあることです。正当な理由があって去る者を追うことは問題ありません。警察が犯人を追うことは正当な理由があってのことで当たり前のことです。来る者を拒む、これもストーカーのような存在が来られたら嫌ですし、迷惑ですよね。だから拒むのは当然のことだと思います。ストーカー加害者が一方的に付き纏った末に、相手を殺害するという悲しい事件も沢山起こっています。
ここで頭に入れておいてほしいこと、それが「縁」です。
縁によって起こる
「来る者」と「去る者」は自分が創った「縁」によって起こった出来事です。「縁」無しでは起こりません。自分が最初に創った「縁」によって自然な流れで「来る者」と「去る者」が成り立つのです。それなのに、自然な流れとして起こった「来る者」と「去る者」を拒む(拒否、邪魔する)ということは「自分の都合で支配する」ということなのです。自分が創った「縁」によって起こった出来事ですから「来る者」と「去る者」に対して適切な対処が出来ることが良いです。
例えば先程のストーカーの話に戻りますが、ストーカーのような存在が来られたら嫌ですし、迷惑ですよね。だから拒むのは当然のことだと思いますが、ストーカーに付き纏われるようになったということは、何らかのきっかけ、原因、理由があり、結果ストーカーの気を引いてしまったのです。その自覚がない場合が殆どでしょう。ストーカー加害者は、誰かの言葉や仕草、物事を正しく判断出来ない人が多いので、何気ない言葉や仕草などを見たときに、ストーカー加害者は「この人は私(俺)に気がある」と勘違いして、思い込んで、妄想をするようになる場合があります。妄想が強いほど付き纏いも強力です。
例えばライブ配信アプリを使って、アイテム欲しさに男性の気を引こうとしている女性が沢山います。これが縁を創る行為です。そうしますと、ストーカーになりやすい人の気も引いてしまう場合があるのです。相手の気を引くのが上手いのは、男性よりも女性です。女性は嘘をついたり、欺いたり、気を引いたりすることが得意ですので、赤の他人(ストーカータイプ)との縁も創られやすいのです。
下記は警察庁の資料からの引用です。
[mfn]文献:令和元年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について 警察庁Webサイト (https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/R1_ponti.pdf)[/mfn]
ストーカー被害者の性別は圧倒的に「女性」が多く、被害者と加害者の関係の大半は「元交際相手」です。嘘をついたり相手の気を引くのが上手い女性が被害者になりやすく、嘘をついたり、気を引いた回数や期間が長かった相手と思われる「元交際相手」がストーカーになりやすいのは、それだけ「執着させてしまう何か」を創り続けてしまっていたからなのです(知らず知らずのうちに縁を深めている)。これは嘘や隠し事をしやすい女性と、器の小さい傷つきやすい男性との間で起こりやすいのです。
ここで覚えておいてほしいことは、人間関係において片方が嘘をつけば、もう片方が納得出来なくなり、それによる執着をさせてしまう場合があるということ。例えば交際中に浮気をしてそのことを隠していたり、相手を利用して騙して搾取しているのに好きなフリをしたりすると、それらのことを隠すために凡ゆる嘘をつく必要が出てきます。そして別れればそれでいいと思って別れたものの、相手は「どうしても納得が出来ない」という状態に陥りやすいので、人によっては執着をしてきます。これは「執着を手放す方法と悩みの正体!(第二版)」でお伝えしているように、執着の正体は「心の滞り」であり、嘘が多いほど心の滞りが起こってしまうからです。
嘘をつく人が、純粋で傷つきやすい相手を騙したときに、ストーカートラブルを引き起こしてしまうことがあるのです。
そして先程ご紹介した2枚目の資料では、ストーカーの被害者も加害者も20代が中心です。20代は大人になり、凡ゆることに興味を持ち、自由奔放に生きやすい年代です。そしてまだまだ責任を持つということはわからない年代です。だから1つ1つの細かい点が、どんな点に繋がっていくかを想像出来ず、知らないうちに「縁」を創ったり、深めたりして、問題を引き起こすことがあります。そして「来る者」を増やしてしまい、来る者を拒みきれなくなる、、、という結果に繋がってしまうこともあるのです。これは、ストーカーになりやすいタイプの人を最初に支配してしまったことで、支配される結果になってしまうのです。相手を支配したつもりはなくても、ちょっとした嘘が相手を支配してしまうことに繋がる場合もあるのです。
だからこそ小さな縁を大切にして、悪い縁を創らず増やさず、1つ1つの点がどんな点に繋がっていくのかを考えた上での言動を取ることを強くお勧めします。悪い縁を創らない自分になってくると、自分に寄って来る人の質が変わります。例えば先程お伝えしたように、相手に嘘をついて騙して利用して切り捨てる、、、このような縁を増やしてしまえば、当然、拒み切れない質の悪い存在を自分に引き寄せてしまうことになります。それが行き過ぎてしまうと最悪事件に巻き込まれてしまうこともあります。だから自分自身が誠実に生きて来る者の質を上げることが大事なことです。そうすると、来る者を拒む必要がなくなっていきます。
「去る者は追わず来る者は拒まず」、これは1人の人間として責任を持って生きていくということでもあるのです。ですが人生中々そう上手くはいきません。なのでまだまだ未熟な自分の問題によって「去る者は追わず来る者は拒まず」が出来ないのです。ですから「去る者は追わず来る者は拒まず」という精神を鍛えるということは「支配しない精神的な自立への道」へ進むということと同じなのです。
「去る者は追わず来る者は拒まず」は緩やかな自然の流れと一体化するようなものなのです。
「心の滞り」を減らす為に大切なことを書きました。よかったら下記を読んでみて下さい。
コメント