被害妄想は理解し合えるチャンスの場合もある。視線が気になるAさんの心の傷とBさんの心の傷。

 

被害妄想は理解し合えるチャンスの場合もある。

Aさんは人といると視線が気になり馬鹿にされているのではないか?と被害妄想があると自分で思っていました。
そしてBさんと一緒にいると何か視線が気になり否定的な感じがするので馬鹿にされていると思ってしまいBさんとトラブルになることがありました。

Aさん「おいB!何チラチラみてんのさっきから」
Bさん「別に見てないよ!被害妄想でしょ!」

と、このような感じが頻繁にあり、ますますAさんはBさんがチラチラみてバカにしているという思い込みが強まっていき喧嘩がエスカレートして、
手が出るまでいったのです。

通常なら「Aさんの被害妄想でBさんは別に見ていなかった…。だからAさんが悪い。」
という片づけ方になるかもしれませんが、それでは一向に根本解決はしません。もう一歩踏み込むことで思わぬ原因に気づく場合もあるのです。

Aさんは自分が手を出してしまう事が怖くなり申し訳なくなり、だけど視線を感じ馬鹿にされている感じがいつまでもとれない。と悩んでいたのです。
しかし手を出してこれ以上悪化すれば相手を殺してしまう事だってあるかもしれない。そう悩み「どうしてBさんはチラチラ見ているのに見ていないと言うんだ」と寝ないで考えたそうです。

そして「前に聞いた別の視点から考える」ということをやってみようと思いAさんはBさんがチラチラ見る別の視点での理由を考えてみました。
すると「もしかするとBは自分(A)といると、何かでスイッチが入り、別の何かに怖くなり、守るためにチラチラ見ているのかもしれない」と思ったそうです。

このことを聞いた時に私も、恐らくそうだと思いました。

そしてAさんはBさんにこう言ったそうです。

「今まで本当にごめん。もしかして俺といる時に何か別の気持ちとか感情出てない?」と聞くとBさんは考えてはっと気づいたのです。

Bさんは「あっ!自分の母親とかぶってた。小さい頃から母親に、先を読んで行動するのが当たり前と殴られてたこととリンクしてた」とのこと。

続けてBさんは「だから先を読まなきゃいけないって思いが無意識であんたをチラチラみてたんだ!わかった」

このように気づいたそうです。

そしてAさんはどうして自分が視線が過剰に気になるのかも理解できたとのことです。

幼少期から陰険な嘲笑、陰険な視線、暴言、暴力、虐待の家庭に身も心も置いていたことで、常に周囲から陰険な視線がくることに恐れていた自分があったと。

それは自分の兄弟からの陰険ないじめや陰険な視線、陰険な眼差しによる、自分の心の傷がBさんのチラチラ見るという行動で刺激されてしまい、Bさんに悪意もなかったのだとわかったそうです。

そこから更にAさんは、もしかしたら自分に陰険な視線を送っていた兄弟も似たような理由があったのかもしれない。そう考えたそうです。

そしてAさんとBさんは、互いの心の傷を理解し合えたそうで、心がすっきりしたということでした。

このように、トラブルや喧嘩など、そこには自分や相手の無意識に隠れた傷に関した思わぬ理由が隠れている場合があり、そこを互いに理解し合えれば癒され回復するチャンスになる場合もあるのです。

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