【米国屈指の医療教育機関】ウェイクフォレスト大学の研究（2024年6月6日）で解明！週１回激しい運動で高血圧患者の認知機能低下を防ぐ！

アメリカのウェイクフォレスト大学医学部（Wake Forest University School of Medicine）のリチャード・カジブウェ博士（Richard Kazibwe, M.D., 内科助教授）によって行われた「週１回の激しい運動が高血圧患者の認知機能に与える影響」という研究¹参考文献：Vigorous Exercise May Preserve Cognition in High-Risk Patients With Hypertension | Atrium Health Wake Forest Baptist（https://newsroom.wakehealth.edu/news-releases/2024/06/vigorous-exercise-may-preserve-cognition-in-high-risk-patients-with-hypertension） で何がわかったのか（2024年6月）

ウェイクフォレスト大学医学部は、米国でも屈指の医療教育機関として知られ、多くの革新的な研究を行っています。最新の研究では、高血圧患者が週に1回以上の激しい運動を行うことで、認知機能の低下リスクを低減できることが示唆されました。この研究は「アルツハイマー病と認知症（Alzheimer’s & Dementia）」という権威あるジャーナルに掲載されています。

カジブウェ博士とそのチームは、2009年から始まった「システミック血圧介入試験（SPRINT）」のデータを分析しました。この試験には、50歳以上の高血圧患者9,300名以上が参加し、血圧管理の影響を調査しました。

重要な結果

研究の結果、週に1回以上の激しい運動を行った参加者は、認知機能障害や認知症の発症リスクが低いことが分かりました。特に75歳未満の参加者において、この保護効果が顕著に見られました。具体的には、60%の参加者が週に1回以上の激しい運動を報告し、その結果、認知機能の低下が大幅に減少しました。

カジブウェ博士は、「激しい運動が高血圧患者の認知機能を保護する可能性があることは喜ばしいニュースです。特に、多くの高齢者が運動の重要性を認識し、積極的に高強度の運動を行っていることは心強いです」と述べています。

今後の研究の必要性

しかし、研究チームは、今後の研究でさらに多様な参加者とデバイスベースの運動測定を含める必要があるとしています。この研究は、激しい運動が高血圧患者の認知機能を守るために重要であることを示唆していますが、より詳細なデータが必要です。

この研究は、高血圧患者が認知機能を保護するための具体的なアプローチとして、週１回の激しい運動が有効である可能性を示しています。日常生活の中で、少しの努力で大きな健康効果が得られるかもしれません。

激しい運動の例：ランニングも含まれる？

研究で言われている激しい運動にはランニングなどが含まれます。一般的に、激しい運動とは心拍数を大幅に上げ、汗をかくような運動を指します。具体的には、ランニング、ハイインテンシティ・インターバル・トレーニング（HIIT）、エアロビクス、サイクリング、スイミングなどが該当します。これらの運動は、短時間で心肺機能を強化し、全身の筋肉を鍛える効果があります。

ウェイクフォレスト大学の研究でも、こうした激しい運動が高血圧患者の認知機能低下リスクを減少させる効果が示唆されています。重要なのは、運動の頻度と強度であり、週に1回以上、しっかりと体を動かすことが大切です。

まとめ

激しい運動の例：

• ランニング
• ハイインテンシティ・インターバル・トレーニング（HIIT）
• エアロビクス
• サイクリング
• スイミング

これらの運動を週に1回以上行うことで、高血圧患者の認知機能を保護する効果が期待できます。

高血圧患者以外でも認知機能低下リスクを減少させれますか？

高血圧患者以外でも、激しい運動を行うことで認知機能低下リスクを減少させる可能性があります。実際、多くの研究が一般的に身体活動が認知機能に対して有益な影響を与えることを示しています。

研究の背景

運動が脳に与える影響は、多岐にわたります。運動は血流を増加させ、脳に必要な酸素や栄養素を供給します。また、神経細胞の成長を促進する物質（神経成長因子）の分泌を増加させ、脳の可塑性を高めます。これにより、新しい神経結合が形成され、記憶力や学習能力が向上します。

具体的な効果

高血圧患者だけでなく、一般の人々においても次のような効果が期待できます：

• 認知機能の維持・向上：運動は認知機能の維持や向上に役立ちます。例えば、記憶力、注意力、計画能力などが改善されることが報告されています。
• 認知症リスクの低減：定期的な運動は、アルツハイマー病や他のタイプの認知症のリスクを低減することが示されています。
• 精神的健康の改善：運動はストレスや不安、うつ症状を軽減する効果もあります。これにより、全体的な精神的健康が向上し、認知機能にも好影響を及ぼします。

まとめ

激しい運動は、高血圧患者だけでなく、一般の人々にも認知機能の低下リスクを減少させる可能性があります。定期的な運動を取り入れることは、脳の健康を保つための重要な手段です。日常生活において、ランニングやサイクリング、エアロビクスなどの激しい運動を週に1回以上行うことで、長期的な認知機能の維持や改善が期待できます。

脚注リスト（引用文献・参考文献）

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  参考文献：Vigorous Exercise May Preserve Cognition in High-Risk Patients With Hypertension | Atrium Health Wake Forest Baptist（https://newsroom.wakehealth.edu/news-releases/2024/06/vigorous-exercise-may-preserve-cognition-in-high-risk-patients-with-hypertension）