これは過去に書いた記事ですが、投稿していなかったので今投稿します。
僕は北海道の冬が好きです。
過去、自覚の無い無数の心の傷を抱えていて、全てが嫌になり、心を閉ざして、何も信じられなくなり、心の底から汚い嘘を嫌い、人の汚さに絶望して、それから離れていくことで北海道に辿り着きました。心の中で想像していた「心の温かさ」は、北海道の真冬の寒い中で、暖かい暖炉があり、そこには汚い嘘が1つもない。そんな想像でした。
人は何故、汚い嘘をつくのか。私利私欲のために、他人を陥れてでも自分の何かを満たそうとする。そんな汚いやり方で満たしたものなんて、一瞬の満足であり、すぐに、ひび割れた隙間から漏れ出して、飢えていくのに。僕はそんな偽物が嫌いになり、人が嫌がる方へと進んでいった。それが北海道の田舎です。欲望にまみれている人にとっては、とても居心地が悪く、生活しにくい場所です。退屈で仕方ない場所です。何もありませんから。だけど、小さな幸せが好きな人にとっては、とても良い場所です。
凍てつく寒さが、汚い嘘を跳ね除けてくれて、僕の心を守ってくれました。人間不信になり、些細なことで傷つき、怒りが抑えきれなくなることもあり、自分でもどうしていいか分からないほど心がボロボロでした。そんな僕の心を癒してくれた1つの存在、それが、今飼っている保護猫です。保健所で殺処分されるはずだった猫と、あともう少しで死を選択するところだった僕は、どこか似ているところがあるなと、勝手ながら思ったこともあります。動物は、嘘が一つもない。自然も嘘をつかない。汚い嘘なんて一度もない。自然は厳しいから人の命を奪うときは容赦無く奪います。だけどそこにも嘘は1つもありません。一部の真っ当な人、そして動物も自然も僕を汚い嘘で悪者扱いしないし、信じてくれている。猫は寝るときはいつもゴロゴロ喉を鳴らしている。僕がちょっかいを出し過ぎて嫌な時は、蹴飛ばしてくれる可愛いやつだ。そんな汚い嘘のない環境で、時間をかけて、僕の心が少しずつ癒されていった。
八街少年院の取り組みでも、動物を使った矯正教育プログラムがあります。汚い嘘や裏切りなどで心を閉ざした非行少年少女たちも、このような動物との触れ合いの中で、きっと心癒されていくでしょう。
汚い嘘を好む人間は、雪を好むことが少ない。田舎も嫌う。彼らは、隠れてコソコソしやすい環境(紛れられる環境)を好みます。フライングモンキー、駒、こういった利用出来る者がいてなんぼですから、それがないところを嫌がります。僕はその生き方を個人的に嫌いなだけで、その人をどうにかしようと思っているわけではありません。生き方は自由ですからその人の自由です。その人にとっては、汚い嘘を使うことで、何か意味があるのだと思います。それを否定する気はありません。人の自由ですから。
僕の場合は、凡ゆるものを凍結し清浄してくれる感じの真冬が好きです。そこには、汚い嘘が入り込む余地が無く、黒い嘘でさえ、真っ白い雪で覆ってくれるような強さがある。そんな感じが好きです。
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