はじめに
MIT・ハーバード大学ブロード研究所の最新研究で、運動の効果が細胞レベルで解明されました。つまり、今まで以上に運動の効果が、細部にまで(身体の各臓器における細胞レベルで)良い影響(具体的な変化を引き起こす)があることが明らかになりました。運動は内臓(特に肝臓)にも良い影響を与えることが解明されました。
運動が身体に良いことは誰でもわかっていることですが、運動が体全体に多面的に良い影響を与えることが、より詳細に科学的に証明されたと言えます。
【米国】ブロード研究所の新研究で明らかに!運動が19の臓器に与える効果とは?
2024年5月1日、ブロード研究所(Broad Institute of MIT and Harvard、アメリカ)の研究で何が判明したのか、スティーブ・カー(Steve Carr、シニアディレクター)、クラリー・クリッシュ(Clary Clish、メタボロミクスプラットフォームシニアディレクター)、ロバート・ゲルシュテン(Robert Gerszten、心血管医学部長)、クリストファー・ニューガード(Christopher Newgard、栄養学教授)らが指揮を執るこの研究[mfn]参考文献:Scientists work out the effects of exercise at the cellular level | Broad Institute(https://www.broadinstitute.org/news/scientists-work-out-effects-exercise-cellular-level)[/mfn] は、運動が細胞や分子レベルでどのように身体に影響を与えるかを明らかにしました。これは、全19の臓器に対する運動の影響を網羅的に調査したもので、特に肝臓での非アルコール性脂肪肝疾患に関する新たな治療法のヒントが見えてきました。
具体的には、運動によって、全身の臓器がそれぞれ異なる反応を示し、免疫システムの調整やストレスへの反応、炎症性肝疾患や心疾患、組織損傷に関連する経路の制御に役立つことがわかりました。例えば、運動をすることで、肝臓が脂肪を減らし、疾患に対する抵抗力が増す可能性があります。これは、肝臓のミトコンドリアのタンパク質がアセチル化し、エネルギー産生に関与することによるものです。
この研究は、運動がただ単に健康を保つだけでなく、具体的にどの臓器にどのような影響を与えるのか、その複雑なメカニズムを解明する手がかりを提供しています。今後、個々の健康状態に合わせた運動プログラムの開発や、運動が不可能な人々のための治療法の開発に役立つことが期待されます。
ブロード研究所のような世界的に著名な研究機関からのこのような発見は、我々の日常生活における運動の重要性を再認識させ、より健康的な生活を送るための科学的根拠を提供してくれます。
最新の研究によると、運動が内臓に及ぼす良い影響は、主に細胞レベルの変化によって起こります。この研究では、運動が細胞のミトコンドリア(エネルギーを生成する細胞の部分)の機能を向上させ、それによって全体の細胞の健康が促進されることが示されました。ミトコンドリアの機能が向上すると、細胞はエネルギーをより効率的に生成できるようになり、それによって内臓の器官がより効率的に動作することができます。
また、運動は体内の抗炎症メカニズムを活性化し、炎症を引き起こす化学物質のレベルを低下させることがわかっています。炎症は多くの慢性疾患の原因となるため、これを抑えることは内臓の健康を保つ上で重要です。
さらに、運動によるストレスホルモンのレベルの低下も内臓に良い影響をもたらします。ストレスホルモンが減少すると、血流が改善され、内臓の細胞に十分な酸素と栄養が供給されるようになります。これにより、内臓の細胞は最適な状態で機能することが可能となり、健康を維持するのに役立ちます。
これらの細胞レベルでの変化が、運動がなぜ内臓に良い影響を与えるかを理解する上での鍵となります。
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