
Amazon Kindleで出版しておいて良かった!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️の高評価が! 集団的ガスライティング: 家族・職場・小集団から自分を守る――機能不全家庭、カルト的環境、詐欺師の手口…嘘が支配する“集団操作”に翻弄されないために Kindle版
集団的ガスライティングに特化した研究もあるかもって思い、ChatGPTを活用して調べたので記事にしました。
はじめに
「ガスライティング」とは、相手の現実認識を揺さぶり、自分の感覚や記憶を疑わせる心理的操作のことです。もともとは個人間の人間関係の問題として語られることが多かったのですが、近年の研究では**「集団」や「組織」「制度」全体が人々に対して行うガスライティング**が注目されています。
例えば、政治家が都合の悪い事実を否定し続けたり、学校や職場が問題を「なかったこと」にしたりする行為は、個人にとって強烈な「現実の書き換え」となり、自己信頼を深く傷つけるものです。ここでは、国内外の研究機関による最新の学術研究を、わかりやすく紹介します。
政治における「集団的ガスライティング」
オランダ・ティルブルフ大学(Tilburg University)の**ナターシャ・リートダイク(Natascha Rietdijk)は、哲学誌『Episteme』にて、「ポスト真実政治」**を集団的ガスライティングとして分析しました(2021年オンライン公開、2024年誌面掲載)【Rietdijk, 2024】。
研究によると、政治家や政党が意図的に「事実を否定・歪曲」し続けることで、市民は「何が本当か」を疑い、民主主義の基盤そのものが揺らぐ危険があると指摘されています。
学術・教育現場における「制度的ガスライティング」
フィンランド・ヘルシンキ大学の**エリナ・ペンティネン(Elina Penttinen)は、『International Feminist Journal of Politics』(2023年)で、フェミニスト学術空間における「集団的ガスライティング」**を取り上げました【Penttinen, 2023】。
研究では、ハラスメントや差別の経験が「なかったこと」にされる構造を分析し、被害者の声が封じられる過程そのものがガスライティングとして作用することを示しています。
また、オーストラリア・モナシュ大学(Monash University)の**ステファニー・ウェスコット(Stephanie Wescott)とスティーブン・ロバーツ(Steven Roberts)は、学校における性的ハラスメント対応を調査し、教育機関が問題を放置することを「制度的ガスライティング」**と呼びました(2025年発表)【Wescott & Roberts, 2025】。
これは「被害を矮小化し、現実を歪める組織の振る舞い」として、教育現場の深刻な課題を明らかにしています。
医学・医療分野における制度的ガスライティング
カナダ・ダルハウジー大学(Dalhousie University)の**ゲイナー・ワトソン=クリード(Gaynor Watson-Creed)**らは、カナダ医師会誌『CMAJ』(2022年)で、医学界における反ブラック人種主義とガスライティングの問題を指摘しました【Watson-Creed, 2022】。
差別を訴えた人が「大げさだ」「誤解だ」と扱われることは、単なる無理解ではなく、制度ぐるみのガスライティングとして作用し、被害を見えなくしてしまうのです。
法制度における「法的ガスライティング」
ニューヨーク大学ロースクール(NYU School of Law, USA)の**アルビン・チョン(Alvin Y. H. Cheung)は、『University of Toronto Law Journal』(2022年)にて、「法的ガスライティング(Legal Gaslighting)」**の概念を提起しました【Cheung, 2022】。
裁判や法律の言説において、被害が過小評価されたり、証言が信用されなかったりすることは、制度が現実をゆがめてしまう危険性を示しています。
包括的レビューと研究の展望
オーストラリア・シドニー大学(University of Sydney)のリリアン・ダーケ(Lillian Darke)、ヘレン・パターソン(Helen Paterson)、セリーヌ・ファン・ゴルデ(Celine van Golde)は、『Journal of Family Violence』(2025年)で、心理学・社会学・哲学などを横断した包括的レビュー論文を発表しました【Darke et al., 2025】。
この総説は、集団的ガスライティングの研究を体系的に整理し、今後の課題として「測定方法の開発」「被害者支援の具体化」「国際比較研究の推進」を挙げています。
まとめ
これらの研究は共通して、ガスライティングを「一対一の心理操作」から「集団・制度に組み込まれた権力の仕組み」へと広げています。
政治、教育、医療、法――私たちの生活に密接する領域で「現実そのものを揺るがす操作」が行われているという認識は、社会問題として極めて重要です。
参考文献(URLつき)
- Rietdijk, N. (2024). Post-truth Politics and Collective Gaslighting. Episteme, 21(1), 229–245. Cambridge University Press. Tilburg University(オランダ)
https://doi.org/10.1017/epi.2021.24 - Penttinen, E. (2023). Collective gaslighting and emotional workplace abuse in feminist academic spaces. International Feminist Journal of Politics, 25(5), 943–959. University of Helsinki(フィンランド)
https://doi.org/10.1080/14616742.2023.2269181 - Wescott, S., & Roberts, S. (2025). Conceptualising school-level responses to sexual harassment of women teachers as institutional gaslighting. British Journal of Sociology of Education, 46(1), 1–18. Monash University(オーストラリア)
https://doi.org/10.1080/01425692.2024.2409267 - Watson-Creed, G. (2022). Gaslighting in academic medicine: where anti-Black racism lives. Canadian Medical Association Journal (CMAJ), 194(42), E1451–E1454. Dalhousie University(カナダ)
https://doi.org/10.1503/cmaj.212145 - Cheung, A. Y. H. (2022). Legal Gaslighting. University of Toronto Law Journal, 72(1), 50–80. NYU School of Law(米国)
https://doi.org/10.3138/utlj-2020-0125 - Darke, L., Paterson, H., & van Golde, C. (2025). Illuminating Gaslighting: A Comprehensive Interdisciplinary Review of Gaslighting Literature. Journal of Family Violence. University of Sydney(オーストラリア)
https://doi.org/10.1007/s10896-025-00805-4
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