
心の苦しみは、最後、感謝に変わっていきます。心の苦しみ、心の問題を解いていくと、その過程において沢山の気づきがあり、それまでよりも高い視点、高い視座、広い視野を持つことになります。そうすると「感謝すべきこと」があったことに気づき出します。
下記記事でお伝えしたことを覚えていますでしょうか。
IQ(知能指数)テストには「見えない法則性」がある。これが見えない人ほど、問題意識がないので、自分で自分を不幸にしていることにすら気づけない。
IQ(知能指数)テストには「見えない法則性」があります。IQが上がるとその法則性が見えるようになります。これと似たような感じで、自分の心が成長してくると、それまで見えなかったことが見えるようになるのです。その1つが、親などからしてもらったことの有り難さです。
「感謝できない人が感謝できるようになるために大切なこと!」の「ありがたい(有り難い)の意味」の中で、次のように書きました。
これは僕の考えですが、「ありがたい」という言葉の意味は、「それは本当に難しいことで、それが有ることはとても貴重だ(それが有ることは難しいことだ)」という意味なのです。
自分が成長してくると、有ること(有ったこと、与えられたこと)が難しいこと、それが沢山あったことに気づきます。過去を振り返って過去を温めると(温故知新)、過去に沢山の有り難いことがあったことに気づけるのです。それに心から気づいた時に、心から「ありがとう」という気持ちが出てきます。僕の母親は2020年10月に他界しました。僕は母親に感謝の気持ちを少ししか伝えられていませんでした。もっと伝えたかったことがありましたが、いろいろな理由からちゃんと伝えることが出来ませんでした。そして、母親への心の供養として、「親への恨みはでっち上げ」に書いたことが下記です。
僕が、サヨナラ・モンスターでお伝えしていることを母にも伝えていて、時に、涙して、自分が自分の親になること、これを自分の気持ちを言えない母も、少しずつ身につけていきました。そして、「死ぬことは怖くないと思えるようになった」と言っていたこともありました。自分が自分の親になることで、死への恐怖を克服していたのです。そんな母の心を、そのときはちゃんと知ることが出来ませんでした。小さい頃から自分の気持ちを言えなかった母は、つらいことも、寂しいことも、悲しいことも表に出さないように生きていました。父も同じで、その2人に育てられた僕も、自分の気持ちを言えませんでした。5歳までほとんど喋らなかったと言っていました。僕が感じていた言いたいことを言えない苦しみは、両親も感じていたのです。
そんな母から、自分の気持ちを言えない分、黙って大切なことを教えてもらえたような気持ちです。母に育ててもらえて良かった。深い親の愛に気づけた。母から教えてもらったものを心に大切に持って、母という「人」と「共」に心の中で「養」う、それが「本当の供養」だと思った。これから僕の心の中で養われるものは、母から気づかされたものがあるからこそです。二度も脳梗塞で倒れ、癌にもなり、それでも自分より子供たちの成長を笑顔で喜んでくれていた、こんな素晴らしい母親の生き方、生き様を見ることも出来ないほど、過去の僕は、見る目が腐っていたんだなって。違う視点を母から教えてもらえた。本当に大切なものは、目立たないところにあることにも気づかされた。
前は、親から酷い扱いをされた過去の記憶で、親を見ていたのでした。その間、親は変わり、大きく心が成長していた。子供たちにも申し訳ないことをしたと思い、その気持ちから成長に繋がっていた。それなのに、その変化に気づかないまま、過去の記憶で親を見続けていたのは、勇気がない俺の心だった。
親の死は、生きることの大切さを教えてくれる、最も大切なこと。それまで気づけなかったこと、心の曇りを晴らしてくれる。ありがとう。本当に、ありがとう。必ず、まだ言えていなかったことを直接伝えるから。それまでに、もっと成長するね。
つらい、苦しい、寂しい、死にたい。こんな気持ちになったけど、生きるということを、もっと深く、真剣に考えていこう、前向きな気持ちも出てきました。
亡き人と共に自分の中で心を養う、それが「本当の供養」だと思います。母親が亡くなってから2年5ヶ月くらい経ちましたが、この間に、それまでよりも感謝の心が芽生えてきたなと、心が少しは養われてきたなと自分で思います。心を養うということは、下記のような意味もあるそうです。
「心を養う」は、傷ついたり疲れた心を癒したり、休む時に使う言葉です。1引用文献:「心を養う」とは?意味や言葉の使い方など分かりやすく解釈 | 新しい言葉(https://atarashiikotoba.com/?p=9930)
また「養」には「心を豊かにする」という意味もあるそうです。つまり、亡き人と共に自分の中で心を養う(心理的に成長して心が豊かになる)「本当の供養」、それが心の傷を癒してくれるものになるということです。本当の心の供養は感謝の心を育てます。感謝は心の薬です。だから本当の供養で感謝が育って心の傷も癒えていくのです。それが下記の表紙に書いた「感謝の気持ちは心の薬」ということです。
心の苦しみは、最後、感謝に変わっていきます。
心の問題解決の道しるべは感謝であると僕は思っています。
脚注リスト(引用文献・参考文献)
- 1引用文献:「心を養う」とは?意味や言葉の使い方など分かりやすく解釈 | 新しい言葉(https://atarashiikotoba.com/?p=9930)