不安神経症(全般性不安障害)の人の「気づき」についてご紹介します。その方の過去の環境では「知ったかぶり」が必要だった。だけど「今」は違う。そう自分で納得が出来たことで、自己成長に繋がり、自然と「知ったかぶり」が少しずつ治っていき、準備することも増え、強い不安感が出て来なくなったとのこと。
知ったかぶりの癖
ある不安神経症(全般性不安障害)の人は、話をしているときに1つの大きな癖がありました。その癖が「知ったかぶり」です。実際には知らないのに、知った気になり、知ったふりをしてコミュニケーションをとっていました。Mさんは、知らないのに知った気でいることで、本当に必要なことを知ることが出来ず不安や恐怖が酷くなってしまっていたのです。そして、実際には知らないのに知った気でいることで話の流れの結果、結局は行き詰ってしまうのです。更には、嘘に嘘を積み重ねてコミュニケーションを取り続ければ、相手から「信用できない」と思われて好ましくない結果となります。そして本人が嫌な気持ちになります。知ったかぶりの癖によって不安を大きくしていたとのことです。
知ったかぶりでメリットを得ていた過去
本人は無意識のうちに、知らないのに知った気になり、知ったふりをしてコミュニケーションをとることでメリットを得ることが出来たのは「今」ではなく「過去」です。この方の場合、幼少期に周りから「○○は言わなくてもできるから」とか「○○は出来て当たり前」と何度も何度も刷り込まれてきたそうです。小さな子供が言わなくてもできるなんて普通はありません。こういった「○○はは言わなくてもできるから」の心理には「親は辛いのだから、私に何も言わせないでよね」というような親の子供への依存、子育て放棄などが潜んでいることがよくあります。
そして子供が少しでも知らない雰囲気(本音)を出すと圧力をかけられるので、その結果、知らないことは悪いことだと思い込んでしまって、知ったふりをするようになってしまったのです。つまり知ったふりをすることが安全である環境の場合もあるのです。この方の場合は知ったかぶりで自分を守っていたのです。そういった「過去」で「今」を見ているからデメリットだらけの「知ったかぶり」を今も続けてしまうのです。過去と今は違うのだと区別をつけることが大切です。
知ったふりをすることが、自分の成長を阻害していたのです。過去において自分を守っていた部分もあったけど、自分の成長が阻害されるというデメリットもあったのです。成長が少なかったので不安や恐怖が強くなるのは当たり前のことです。
知ったかぶりが不安を生んでいる
実際には知らないのに知ったふりを積み重ねることで、「知ったふり」のレベルまで「準備」が出来ていないため不安が強まっていたのでした。「知ったふり」と「準備」の間の嘘が大きくなるほど苦しくなっていきます。
納得を起こして自分を成長させる
そして本人は「○○は言わなくてもできるから」とか「○○は出来て当たり前」という言葉が、親の苦しさから来ていたであろう間違いだとわかり、「過去はもう終わったこと。これからは正しく準備していきたい。」そう思えるようになったとのことです(納得を起こしたということ)。
そして、実際に正しく準備をすることが増えて、不安も少しずつ消えていったとのことです。
準備ができてないのに、準備が出来ている(知ったふり)と思い込んでいるから、実際に対象が迫ってくると不安になるのです。その為に、色々なことを学ぶこと。 準備して自分を守れるようになること、それが大事なのです。学習をして新しいことを知り、認知の歪みに気づいて修正して、脳が活性化する生活習慣に変えていくと、強い不安感が出てきにくくなります。
おわりに
今まで知ったふりをしなければいけなかったこと、本当に辛いことだったと思います。もしこの記事を読んでいるあなたが「知ったかぶり」をする人なら、過去の環境では「知ったかぶり」が必要だった。だけど「今」は違う。そう自分で納得を起こすことが必要です。納得を起こして、不安感情を抑える脳の部位を活性化させる生活を習慣化させることが一番大事なことです。
恐怖感情や不安感情を抑える脳の部位を活性化させていく方法は、サヨナラ・モンスター(書くこと)、エモーションプラス(感情を創って働きかける)、トラウマ転換ウォーキング(歩いて心身を健康に)です。3つのうち、自分に合ったものから始めてみてはいかがでしょうか。
コメント